レッスンの時によく言っているんですが、たとえばその人が「1時間のリサイタルをしたい」と言うなら、それに見合った練習の仕方、トレーニングをしないといけません。
具体的に言うと一日平均30分、曲の練習しかしない人が1時間の演奏を最後までやり遂げるのは困難でしょう。また「テンポが速かったり運指の難しい難易度の高い曲を弾きたい」と言うなら、指の瞬発力を養う練習や指のストレッチ練習は欠かせません。

なんにせよ途中の過程を飛ばすことはいい結果をもたらさないでしょう。
ひたすら根性で長時間弾くという練習ではなく、効果的な練習を毎日少しずつでも継続させることがテクニックの安定をもたらすのです。

特に大学生のギタークラブなどに所属されている方は2~3年である程度自分の技術を完成させる必要があるので、かなり無理な練習をしている方も多いようです。(私が大学生の頃も手を壊しているギター部員が見受けられました)
レッスンの時は適宜基礎練習やカルカッシ、ソルなどの練習曲をはさむことで、少しずつ技術を安定させることに気を使っています。

ホセ・ルイス・ゴンサレス・ギター・テクニック・ノート


アスリートでいうなら基礎トレーニング、筋力トレーニングに当たる練習方法を集めた教本は今までにもいろいろと出版されていますが、現在日本語版が手に入れやすいものでもっとも効果的なものの一つだと思うのが、「ホセ・ルイス・ゴンサレス・ギター・テクニック・ノート」です。
2017年現在でも現代ギター社ほかAmazonなどでも購入することができます。

名ギタリストで多くの優秀な弟子を輩出した故ホセ・ルイス・ゴンサレス氏の技術の集大成ともいえる一冊で、左右の各指の独立と強化、アルペジオ、スケール、スラー、セーハなど演奏の上で必要なテクニックが網羅されている本です。
文章による細かい指示は少なく、その分とてもたくさんの課題が掲載されているのですが、そこが諸刃の剣と言えるかもしれません。じっくりと一つ一つの課題の意味を考えて取り組むことができる人には長年かけて取り組んでいきたい素晴らしい一冊になりますが、課題の意味が分からない人、短期間で成果を上げたい人にとっては非常に退屈に感じるかもしれません。

少なくともギターを始めてすぐの人にはあまりお勧めできず、自己流でもある程度演奏経験があるか、ギター教室に通われている方向けの教本だと思います。
一昔前話題になったスコット・テナント氏 のPumping Nylon(パンピング・ナイロン・・・日本ではなぜかタブ譜付 クラシックギターテクニックという本になっています)と同じく間違えた使い方をすると深刻な手の故障を招きかねない過酷な部分も多いので、無理をしないように気を付けて(習っている先生の意見も聞きつつ)練習に取り入れてください。

ギター上達に近道なし⁉で書いたようにあわてて無理な練習をせず、じっくり取り組んでいかないといけません。一カ月やそこらで成果が上がらなくても卑下する必要は全くないのです。

私はこれらの練習をかなりやりこんでいたころは、疲労がたまってきたらすぐに中断してクールダウンするようにして、少しずつ進めるようにしていました。





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