先日、福井県の方からバンドネオン&ギターデュオに演奏依頼があり12月に演奏させていただくことになりました。数多い演奏家の中から私たちを選んでいただいた決め手になったのは、ホームページの画像や活動実績、YouTubeの動画ということだったので、大変ありがたい話です。
もちろん仕事をいただいてうれしいという面もあるのですが、それだけではなく自分の手がけているホームページを中心としたセルフプロデュースによって正しく自分の意図をくみ取っていただいた結果のように思えるからです。

◆音楽家のセルプロデュース

私がホームページ運営やFacebookをはじめとしたSNSに力を入れ始めたのは6~7年前から。特に後ろ盾も資金もない自分がいかに音楽活動を続けていけるか?ということを考えた結果でした。「やはりセルフプロデュースしかない!」と・・・そこから知識ゼロから始めて、悪戦苦闘しながらなんとか続けてこれています。
セルフプロデュースというと何やら大袈裟ですが、

・自分の音楽のウリは何か?
・なぜそれを聞いてもらいたいか?
・どういった方たちに聞いてもらいたいか?
・それを広くアピールするにはどうすればいいか?


ということと直結しているので、結局自分の音楽活動の方針を見つめなおす事でもあるのです。正直この辺りがふわふわしたままだと、継続的な音楽活動をしていくのは難しいんじゃないかな?と思います。昔先輩ミュージシャンが「毎日就職活動してるようなもんだよ!」と笑っていたのは実に正論でした。


◆音楽家の経済問題

音楽活動を初めた初期のころ仕事をくださった方たちが、金銭に関して非常にしっかりされていたのも、今思えばラッキーでした。金銭の出入りにもシビアになれましたし、自分のギター教室や音楽の企画を運営するうえでも指針を作ることができました。単に音楽を聴いてもらうだけではなく、それを金銭に変えていくのは、ある種シビアな指針作りは欠かせないのです。
宣伝広告費、共演者への謝礼、自分の勉強、衣装代、機材代、人件費、会場費・・・etc.音楽活動にはいくらでもお金がかかります。そして音楽家はたいていあまりお金がなく、収入の上がらないまま身銭を切って活動を続けるのも限界があるのです。
このためセルフプロデュースの中には「自分の(自分たちの)演奏にいくらの値段をつけるか」という生々しい課題も含まれます。バンド、音楽団体、音楽企画がとん挫するのは大抵「音楽性の違い」ではなく「金銭の問題」のせいなのです・・・


◆「安く」プロモーションができる時代

一昔前は音楽家自身が自分を売り込もうと思っても、自主企画でチケットを必死で売りさばいたり、路上ライブをしたりプロフィールを音楽事務所に送ったりするなど効果があるかないかわからない地道な努力を繰り返すしかありませんでした。ちょっと気の利いたプロモーションをしようとすると、お金も手間もかかりますし、自分で行おうにもかなりのスキルが必要でした。

ところが今はだれでもちょっとその気になれば、簡単にきれいなホームページが作れますし、SNSやYouTubeなどでいくらでも自分たちの活動を広くアピールすることができます。しかもこれらがすべて「無料」または「非常に安価」にできてしまうのです。もちろんプロモーションのプロに頼んだ方がより高品質のものが作れるかもしれませんが、前述のように音楽家の大半はあまりお金がありません。

だからこのようなツールのおかげでなんと助かったことか!逆を言えば今の時代は「お金がないからプロモーションができない」というのは言い訳に過ぎなくなってきているのです。もちろんプロモーションの前提として、それに見合った演奏や活動のクオリティも上げていかなくてはなりません。いくらいいプロモーションをしても肝心の中身が伴っていないと見向きもされないでしょう。


◆セルフプロデュース=表現の一環

私は音楽をはじめとする表現活動はコミュニケーションの一種でと考えていますし、こういったセルフプロデュースは不特定多数の方たちとコミュニケーションを取るための、表現の一環と考えて力を入れたいと考えています。

しかし頑固な職人気質なのか、「自分の仕事ではない」「音楽以外に時間をかけるべきではない」「音楽家がお金のからんだ話をするべきではない」というポリシーなのか、音楽家の中にはこういったことに無関心な方も多いようです。私の個人的な考えでは「音楽家は音楽に奉仕する聖職者ではない」と思います。音楽と向き合うだけでなくリアルな現実の社会と向き合うことも不可欠なのです。

少なくとも私の周囲で活発に音楽活動をされている方の多くは、マメに情報発信されていますし、常に新しいことを勉強してチャレンジされているように見受けられます。もっと真剣に他の音楽家とこの辺りについて突っ込んだ話をしてみたいとも思っています。


ギター横