ギター初心者の方や独学で練習されてきた方のレッスンをすると、左手にかなり負担をかけて弾いている方が多いのがいつも気になります。特に「強く押さえないと」という気持ちが強いのか、左手の親指に力が入っていることが多いですね。極端な場合下の写真のような構え方になっています。親指でがっちりネックを握りこみ、左ひじは後ろに引かれています。一見安定しているようで、これほど押さえにくいフォームはありません。

強い握力を使った押弦は筋肉や腱、関節に負担をかけすぎ、手の故障まで招きかねません。握力ばかりに頼った押弦ではなく、効率のいい押さえ方を身につけましょう。

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自分の腕自体に重みがあることを忘れてはいけません。ここでは左腕の重量をうまく使うことを考えてみます。人間の腕は個人差はありますが、だいたい4~5kgはあると考えられますので、けっこうな重量があります。この左腕の重みを利用することで押弦はかなり楽になります。

腕の重みを感じるために少し実験してみましょう。
下の写真のように肘を下に向けて手のひらを後ろに向け、手のひらを顔くらいの高さに持ってきましょう。これはちょうど普段ギターを弾いている時の左手の位置ですね。
何も持っていない状態で、このような体勢を数分保っていると腕が非常に疲れると思います。腕の重みを自分の筋力と骨格のみで支えているからです。ギターを弾いている時には忘れがちですが、こうやってみると自分の腕の重量感を思い出すことができます。

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それでは下の写真ようにギターを構えている状態ではどうでしょうか?今度は左手はギターの指板に置かれるため、腕の重みはギターに乗せることができます。

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なんでもいいので和音を押さえている状態で構えてみます。この時あえて左手の親指はギターから離しておきましょう。先ほど感じた腕の重みは指を通して ギターにかけられ、腕が楽に支えられるように感じないでしょうか?このときは写真のように左肘が手首から下にぶら下がって、指先に重量を伝えていると考えてください(電車のつり革を持つときを思い出してみるとわかりやすいかもしれません)。

握力だけではなく、腕の重みによって押弦している感覚はつかめたでしょうか?左手の親指と他の指との間でネックを強く挟んで押さえるのではなく、指を接点に腕がギターからぶら下がっているというイメージを持つことが大切です。左手の親指に力をかければかけるほど、こうした腕の重みは利用しにくくなり、左手の自由な動きにも支障が出てきます。

最初の写真のように親指に強い力をかけるのではなく、親指はネックの裏側にそっと添える程度にしましょう。実際、上の写真のように構えれば、親指を置いていなくても和音を押さえられるのがわかると思います。力いっぱい押さえるのに慣れている方は、なかなかこういう押弦の感覚はつかみにくいかも知れませんが、まずは単純な音階練習などでこの動作をイメージできるようにしていきましょう。



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