「練習しているのに全然上達しない」という声をよく聞きます。
実際にそういう方の話を聞いてみても、まじめに何時間も練習をしているのに、結果に結びつかないという方はけっこういるようです。
ギターに限らず楽器練習というものは、ある程度の時間楽器と向き合わないと見えてこないのは確かなのですが、問題はその「時間のかけ方」にあるようです。

いくつか思い当たる「よくないギター練習」をまとめてみました。


①同じ曲だけを練習し続ける

発表会やコンクールなどの目標があると、同じ曲しか練習しなくなったりしないでしょうか?

毎日の練習の大半が特定の曲に費やすような練習の仕方は深刻なマンネリの状態となり、かえって演奏の内容が悪くなったり、ギターを弾くこと自体に嫌気がさしてくることもあります。

またその曲で使われている以外のテクニックがさび付いてしまうかもしれないので、並行して基礎練習や別の小品、練習曲などを演奏したほうが効率がいいでしょう。

ある程度覚えた曲なら思い切って数日~数週間その曲を弾くのを止めて、「曲を寝かせる」というのも効果的です。

かえって新鮮に曲をとらえることができ、新たな部分が見えてくるかもしれません。



②飛び飛びにしか練習しない

ある日思い立って何時間も練習したかと思ったら、その次は1週間以上ギターを全然弾かなくなる・・・これは最も効率の悪い練習の仕方でしょう。

人間は3日もすれば覚えたことのほとんどを忘れてしまうと言われています。

練習したことをしっかりと頭と体に刻み込むには、少なくとも3日以上の間隔を開けて練習しないほうがいいでしょう。

特にギターを練習し始めて日の浅い人なら、まずは毎日少しずつでもギターを触るようにして、楽器の感覚になじまないといけません。



③だらだら何時間も練習する

どうしても弾けないところがあると不安になり、だらだらと同じような練習を長時間続けてしまう方もいるかもしれません。

私も昔その傾向があったのですが、不安を解消するための練習は実は非常に生産性の悪い練習だとわかってきました。

実際、煮詰まってきたならいったん弾くのを止めて寝てしまい、翌日再チャレンジした方が効率がいいのです。

不安を感じているところは頭の中で整理できていないところですから、一度頭の中をリセットしてしまう勇気を持ちましょう。



④通し練習しかしない

一つの曲を最初から最後まで通してしか練習しない人がいますが、こういった練習は本番での度忘れや、譜読み間違い、演奏のモチベーションの低下などあまりいい結果を生まないでしょう。

曲の途中からの練習や、難所だけを抜き出しての部分練習を取り入れた方がかえって曲全体が引き締まります。

また通し練習しかしない人は、しばらくその曲を練習していないとすぐに忘れてしまう傾向があります。

次の⑤の項目にも当てはまりますが、部分練習をしながらゆっくり記憶に定着させた曲は、長く覚えておくことのできるよいレパートリーになるでしょう。



⑤すぐ楽譜を見なくなる

「指で覚える」までがむしゃらに練習してその後は、楽譜を一切見ない人もいますが、譜読み間違いや演奏指示の不徹底など「不完全な暗譜」になっていることが多いようです。

「暗譜が早いからいい演奏ができる」なんてことはありません!

楽譜には演奏上の大きなヒントがぎっしりつまっていますから、あせって譜読みせずにもう一度じっくり腰を据えて楽譜に向き合ってみましょう。



情報収集に熱中しすぎる

一昔前と違い、現在は音源、映像やギターの奏法、テクニックの情報が非常に入手しやすく、とてもよい時代になっています。

しかしその反面、「より正しい情報」「より上達する練習方法」を常に探し求めて情報過多となっている方も少なくないようです。

10人のプロがいたら10通りのギターに対するアプローチがあり、どれが最も優れているかなど決めることはできません。

結局それは単なる情報であり、楽器を習得するには一定期間しっかりと自分の指を動かして練習する他に方法はないのです。

仮に世界的な奏者の練習方法を知っていてもそれを生かせなくては意味がありません。

「誰でもあっという間に上達する魔法のギターメソッド」は存在しないのです。



⑦自分に限界を作る

「この曲を弾きたいけど無理」「この和音は押さえられない」「このテンポでは弾けない」・・・など知らず知らずのうちに自分に限界を設定していないでしょうか?

レッスンをしていて、「これは〇〇だから絶対弾けないですよ!」と言っていた方が、「いや、できますよ。ほら・・・」と実例を見せたとたんに、目からうろこのように弾けるようになったことが実際に何度かあります。

できないことを前提にしているうちにいつの間にか思考が固まって弾けなくなっていることがあるのです。

「ここは〇〇だから弾けない」という否定的な発想ではなく、「ここは〇〇したら弾けるだろうか?」という探求心を持つことが上達には欠かせません。


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